2010年01月10日

リーグテーブルとその見方

「外資系への道標」は移転しました。
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http://gaishi-michishirube.com/column/after/238/


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こんばんは、メタルです。

先日、2009年のリーグテーブルが発表されました。

どうでもいいと言えばどうでもいいかもしれませんが、
投資銀行の実力を測る上で1つの指標になるとともに、
就活生のファーム選びの際の1つの目安になるかと思いますので、
リーグテーブルの見方も含め、記事にしてみました。

以下、興味があればどうぞ。


リーグテーブルとは、平たく言えば、金融機関(投資銀行)の実績ランキングです。
トムソン・ロイター・マーケッツ社が年に4回、集計して発表しています。
http://www.thomsonfinancial.jp/ot/lt.html

ランキング付けされるのは、以下の4部門。
・M&Aアドバイザー
・株式・株式関連
・Debt(社債)
・Loans(シンジケートローン)

それぞれよく分からないと思うので簡単ではありますが解説してみます。


◆M&Aアドバイザリーランキング

文字通り、M&Aアドバイザリー会社のランキングです。
アドバイザーには、
フィナンシャルアドバイザー
リーガルアドバイザー
の2種類があります。
前者が投資銀行のようなメインとなってディールを主導する人たちで、
後者はいわゆる法律面のアドバイス、例えば契約書交渉等を行う法律事務所です。

スライド1.JPG

上記のとおり、
甲社が乙社を100億円で買った場合、
アドバイザーが3社いれば、3社全てに100億円ずつポイントが加算されます。

アドバイザーとしてほんの一部しか関わっていなくとも、
100%実績として積み上げられます。
ゆえに、完全に実力を反映したランキングでないことには注意が必要です。
例えば、超大型案件のときは、他社と差をつけられないように、
格安でほんの一部分でも引き受け、何とかポイントをゲットしようとします。
大型案件にアドバイザーが4社も5社も絡んでくるのはこれも1つの理由です。


◆株式関連・Debt(社債)のランキング

「引受け」をした金額・件数ベースのランキングです。
「そもそも引受けって何よ?」という人のために絵を描いてみました。

スライド2.JPG

上記のとおり、
「引受け」があることによって、
発行者(会社)としては、資金調達が確実に出来るようになるわけです。
(そもそも何らかの資金需要があって資金調達をするわけです。)

証券会社にすれば、
「俺たちがそのリスクを引受けてやるから、少しくらい差額を抜いてもいいよね?」
ってわけです。
投資家にすれば、ふざけんなよって感じです。

M&Aアドバイザーは免許は要らないので、誰でも勝手にやっていいのですが、
「引受け」をしていいのは、免許を持っている証券会社と金融機関だけです。

外資の手数料水準(http://gaishi.seesaa.net/article/117539890.html
にも書きましたが、引受けはめちゃめちゃ儲かります。
先日、三井住友FGの8000億円の公募増資が発表されましたが、
これで投資銀行は数百億円の利鞘を抜くことができます。
リスクを背負うという点を除けば、掛かっているコストは人件費くらいでボロ儲けです。

ちなみにこの業務をやっているのが、
ECM(Equity Capital Market、資本市場部、いーしーえむ)とか
DCM(Debt Caital Market、でぃーしーえむ
と呼ばれる部署です。
株の発行だったら、何円で何株くらいまでなら発行しても売りさばけそうだとか、
CBとかMSCBとか複雑な金融商品の値決めとかをしています。
投資銀行の中でも、給料が高く、花形で出世コースです。


◆Loans(シンジケートローン)のランキング

これもその名のとおり、
シンジケートローンをいくらアレンジしたかのランキングです。
シンジケートローン(協調融資)とは、
企業の大口資金調達ニーズに対して、
複数の金融機関(シンジケート団)が同一の条件・契約に基づき融資を行う手法です。
といってもなかなかイメージが沸かないと思うので、簡単に図を書いてみました。

スライド3.JPG

スライド4.JPG

まぁこんなランキングもあるのね、といっただけで十分です。



◆で、これらのランキングがなぜ重要なのか?

M&Aアドバイザリーランキングを例に取れば、
M&Aアドバイザーの仕事の受注は、過去の実績がモノを言うからです。
会社運営の非常に重要な局面ですから、
出来るだけ実績のある会社(担当者)に頼もうと思います。

ゆえに各投資銀行は、トムソン社からランキングが発表されると、
何とか自社がナンバー1になるように加工します。
「金融セクター案件を除外する」
「1〜5月のみの実績に限る」
「A案件は除く」
「アジア地域は除く」
等の小さい注記を付して、作成します。
これも大事なジュニアの仕事の1つだったりします。


◆2009年度のM&Aアドバイザリーランキング

トムソンから抜粋しました。
金額ベースと件数ベースで並べてみました。
国内だと、(AD19)というランキングで比較するのが一般的です。
 ・売手か買手のどちらかに国内企業が含まれている。
 ・不動産案件は除外
  (不動産売買でも載ってしまうのと、正確な順位にならない。)
 ・公表案件ベース
  (公表案件ベースと完了案件ベースの違いは、
   例えば、A社とB社が経営統合をする案件だったら、
   「それが発表された時点」で公表案件ベースでカウントされ、
   「実際に経営統合をした時点」で、完了案件ベースでカウントされます。)

スライド5.JPG
スライド6.JPG



新卒でファームを選ぶ際に目安としたほうがいいことは?

同業他社の同期や先輩と飲んだときの、
みんなのコンセンサス的な意見なので1つの参考にしてみて下さい。

@案件数のある会社を選ぶこと
私も経験を持って言えることですが、
とにかく案件数のある会社に入りましょう。
シニア層になればある程度経験もあるのでいいですが、
ジュニアのときは、何より案件に関わって経験を積めることが重要です。
「提案書(ピッチ)作成」では、最初の1年ちょっとで伸びは止まります。

2年目を過ぎたあたりでの転職活動においても、
実際の案件をこなしていないと、
同業他社やファンドに行くときは、実務的な質問とかも聞かれるので、
結構苦労するのではないかと思います。
とはいえ、この業界にいるってことだけで評価してくれる会社も結構あるので、
一概には言えませんが。

目安としては、取引金額ベースか案件数ベースのどちらかで
上位10位には入る会社であれば問題ないと思います。


A案件数が少ない会社でも「M&Aアドバイザリーグループ」に入れればいい。

IBDは、
「カバレッジ」と呼ばれる提案書を持っていくチームと、
実際に案件受注したときに実行(エクセキューション)していくM&Aチームに分かれます。
案件が少ない会社でも、後者のチームで採用してもらえるようなら、
案件に関われる確率は高いと思うので、経験値を積むことができるでしょう。


B「人」で選ばないほうがいい。

みなさんが内定を貰って、入社するまでには1年半ほどあります。
その間に、リストラになる人も転職していく人も数多くいます。
100人近くいるファームの10人ちょっとに会っただけで、
人とか雰囲気で選ぶのはやめるのが無難です。
あくまでも実績で選びましょう。

ただ、面接のときは、
「実績のある弊社とA社とで、最後はどこでうちに決めたの?」
との質問に答えられるのは、
「人」とか「雰囲気」って答えが反論しようのないところだから
そこはうまく使い分けましょう。


リーグテーブル一覧
http://www.thomsonfinancial.jp/ot/lt.html

M&Aアドバイザー(PDF注意)
http://www.thomsonfinancial.jp/pdf/TR/LTs/4Q09%20M&A%20Financial.pdf

※ちなみに海外のリーグテーブルはこちらで見れます。

以上になります。
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posted by メタル at 23:33 | 東京 ☀ | Comment(7) | TrackBack(0) | 投資銀行に入社後
この記事へのコメント
3兆9478億円、英語では394b780mUSDと言うんですか?
Posted by 英語 at 2010年01月13日 00:25
シティすげ!
でもやっぱGSは1つの案件につき取引額が半端ないんですね・・・
Posted by rarara at 2010年01月13日 00:33
これは正直助かりました
Posted by がくせい at 2010年01月13日 01:36
あやふやな理解しかしていなかったので、
分かりやすくまとめていただいて非常に助かりました。
面接の日々ですが、また気合い入れ直してがんばります^^
Posted by mina at 2010年01月14日 20:55
会計系でPwCとKPMGが入ってるのが意外
Posted by へぇ〜 at 2010年01月14日 22:36
シティは日興含むだから件数が多い。
日興を売ってからどう扱われているのかは聞いてみないとわからない。
SMBCのM&Aは多くないはずだから、日興は途中からはSMFGに入っているのかもね。
Posted by C at 2010年01月17日 18:54
会計系はコンサル会社もっているんだよ
Posted by P at 2010年01月23日 12:34
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