2010年09月05日

バークレイズ・キャピタルの新卒採用情報

「外資系への道標」は移転しました。
新アドレスはこちらです。
今後ともどうぞよろしくお願いします。

http://gaishi-michishirube.com/recruit/ib_rec/277/


参考になりましたらぽちっとお願いします。

こんばんは、メタルです。
本日はバークレイズ・キャピタルの採用情報です。
前回のHSBCに続き、こちらも2011年度就活生よりご提供いただきました。

いつも貴重な情報の配信ありがとうございます。
就活時だけでなく、内定者となった今でもブログを読ませていただいております。
匿名で恐縮ですが、バークレイズキャピタルの選考に関する情報を提供させていただきます。
もしよろしければブログに掲載お願い致します。
また、バークレイズに関する追加の情報などありましたら、併せて掲載していただければ幸いです。
(中略)
以上、長文でのメール失礼いたしました。
今後も外資系への道標の更新を楽しみにさせていただきます。
また、別件なのですが、FX・株式投資についてメタルさんのおすすめの書籍をご紹介願えないでしょうか?
ブログへの投稿でもこのメールへの返信という形でもかまいませんので、
お時間のある時にご紹介いただければ幸いです。


大変貴重な情報のご投稿ありがとうございました。
会社概要については私のほうで加筆させていただきましたので、ぜひご一読ください。
皆様もぜひ将来内定を勝ち取った後は、ご投稿いただければ幸いです。

◆バークレイズ・キャピタルの概要

バークレイズ・キャピタル。
イギリス(ロンドン)に本拠を置く金融グループです。

元々は商業銀行・プライベートバンキングでした。
ゆえに「投資銀行(インベストメントバンキング)」、つまりM&Aアドバイザリー、株や債券の引受、トレーディング等をする「投資銀行」には、程遠いイメージでした。

しかし、金融危機でのリーマン・ブラザーズの米国事業買収で、一気に投資銀行へ変貌を遂げました。
直近でも大幅増益で、ますます投資銀行としての規模を拡大している投資銀行です。



◆日本におけるバークレイズ・キャピタル

本社は六本木ヒルズ。
昔、リーマンブラザーズ証券が入っていた31F〜に入っています。
(ちなみにゴールドマン・サックスは40F〜)
日本におけるバークレイズ・キャピタルは、図のとおり以下の3社で構成されています。

1、バークレイズ・キャピタル証券
2、バークレイズ銀行
3、バークレイズ・キャピタル・ファンド・ソリューション・ジャパン
barclays_capital_japan_sm.jpg


1、バークレイズ・キャピタル証券

法人向けの証券会社です。やっていることは大きく3つ。
@投資銀行業務
A株や債券の売買仲介をするマーケット業務(法人相手)
Bリサーチ業務


@
投資銀行業務とは、「M&Aアドバイザリー業務」や「株・債券の引受業務」です。
バークレイズは、まさに強化中。
逆の言い方をすればまだ日本ではマイナー。
しかし前述のとおり、金融危機以降どんどん人を採用して拡大を図っています。


A
マーケット業務とは、ご存じのとおり、法人向けに株や債券・為替の仲介を行っています。
正直国内でそこまで強いというのは聞かない。
増強中ってことですか!?(ごめん、分からない。)


B
リサーチ業務とは、あの株は「買いだ」とか「売りだ」とかレポートを書く業務。
彼らは直接的に売上を上げるわけではないですが、
リサーチ部門が強いことで、マーケット部門の収益に影響します。

というのも、機関投資家(銀行・生保など)と呼ばれる株や債券で運用する人たちは、
トヨタ株をどこの証券会社で売買しようと一緒です。
しかし彼らも人間なので、「どうせなら株について色々教えてくれるA証券会社に注文を出そう」ということになります。

さらにセールスの人たちも、自社で情報源を持っているのとないのでは全然違いますよね。つまりそういうことです。

さてバークレイズのリサーチ部門ですが、
2008年にリーマンブラザーズ(日本支店)は野村証券に買収されましたが、
その時リーマンのリサーチ部門の人たちは
「野村はすでにリサーチが強いし、野村に移ったら冷や飯を食わされるんでは?」
と考え、ごっそりバークレイズに移りました。
バークレイズには殆どなかったリサーチ業務がスタートした瞬間でもあります。
リーマン自体、リサーチが強かったわけではないですが、
バークレイズは日本におけるリサーチ業務の足がかりを得たとも言えます。



2、バークレイズ銀行

法人向けの銀行業務。
HPを見ると、為替業務を中心にやっているみたいですね。

前回HSBCのときにも少し書きましたが、
金融コングロマリットは、ロングテール戦略のamazonではないけれど、
「ひととおり何でもできますよ!」ってのが売りでもあるので、
小さいながらほぼすべての金融サービスを提供しています。

また、銀行と証券との違いにも関係しますが、
法律上、銀行しか出来ない業務、証券しか出来ない業務というのが存在します。
ゆえに銀行と証券はいっしょに置いておく必要があるんですね。
例えば、
銀行で株は買えません。
銀行は引受業務ができません。
証券会社に預金することはできません。
証券会社からお金を借りることはできません。

これらは証券外務員試験で勉強することになります。



3、バークレイズ・キャピタル・ファンド・ソリューション・ジャパン

投資信託の設計・運用・販売を行っています。
HSBCで書いた記事をコピペしますが、これのバークレイズ版。
例えば、「インドに投資したいけれど、投資金額もお小遣い程度で、ましてや銘柄も自分では選べない。けれど投資したい!」という人向けに、HSBCインドオープンなんて商品がありますよね。(1口1万円くらいから買えます。)
あれの設計から運用、そして販売までを行っています。

ちなみに、基本中途採用で入社みたいです。
少なくとも2011年向けはそうでした。



◆用語の補足

※1:
「M&Aアドバイザリー業務」とは、M&Aしたいと思っている会社同士を結びつけたら成功報酬として手数料を貰うビジネス。こちらも参考にしてね。

※2:
「株・債券の引受業務」とは、要するに株・債券の「転売」業務です。
八百屋さんでも魚屋さんでもいいですが、生産者から商品を仕入れてきて店で売るじゃないですか。あれは要するに魚や野菜の転売。株や債券を発行したい会社からそれらを仕入れて転売する仕事を、「株・債券の引受業務(アンダーライティング)」といいます。で、その利ザヤを抜くのがビジネスです。

※3:
補足ですが、株の転売(引受)をやるチームを、Equity Capital MarketというのでECM(イーシーエム)と呼びます。債券の転売(引受)をやるチームを、Debt Capital MarketというのでDCM(ディーシーエム)と呼びます。
バークレイズはDCM強いよ。

※4:蛇足かもしれませんが、「マーケット業務」はすでにマーケットに出回っている株や債券の売買を仲介したり、自己でリスクを取ってトレーディングする業務ですので、引受とは違います。
魚屋さんの例でいえば、すでに魚屋さんで売られているのをさらに転売するのが、マーケット業務です。




◆選考の概要

原則として、「バークレイズ・キャピタル証券」での採用です。
希望すれば銀行や投信会社も受験できるようですが、かなりハードルは高いです。

他社と同様でESを提出する段階から、
部門別(投資銀行部門、マーケット部門、等)に分かれます。
1次選考でのグループワーク・ディスカッションも、部門ごとに進むこととなります。

ただし、面接の過程で希望すれば、他部門の面接を受けることも可能なようです。
もちろん本人にその実力があればです。
「IBDがダメだったからセールスを受けよう」というのは通りません。
あるいは、学生の適性を見て他部門の社員さんから面接をしないかと声がかかる場合もあります。

ちなみに11卒の内定者も2〜3人は最初の志望部門とは別の部門で採用されていたと思います。



◆マーケットサイドでの採用情報

■ES+Webテスト

ESは全て英語。
Webテストは係数と言語。
その場で合否が分かるシステムで、1科目目で不合格だと2科目目に進めない。
1次選考の参加者はあまり多くないので、ここでかなり切られていると思われる。

申し訳ないのですが、WEBテストの内容はあまり覚えていません。
図表を見て、数値の傾向等に関する質問に答える計数理解の問題が前半。
後半は論理性を見る国語の問題だったと思います。



■1次選考

グループワーク、グループディスカッション2回、簡単な作文を半日かけて行う。

・グループワーク
内容はただのゲーム。
1チーム6人でレゴブロックを積み重ね、ボールをできるだけ長く転がせたチームの勝ち。
各チームの順位が発表されるが、選考結果に影響があるかは不明。

・グループディスカッション(2回)
実際の業務で直面するような問題に関するGDを2回行った。
「仕事における優先順位の付け方」
「クライアント企業に対する提案を考える」

・簡単な作文
ESで聞かれるような簡単な質問に対する作文。
筆記試験のような形式で、制限時間内に質問に対する回答に答えるというものです。
制限時間は15〜20分ぐらいで、
字数は特に規定はありませんでしたが、A4の紙1枚に収まる程度です。


■2次面接

部門によっては午前中に1次選考が終わった後、午後に2次選考が行われる。
1次選考が終わった後、学生は会社周辺で結果の連絡を待たなくてはいけなかった。
2次選考は個人面接。
若手からMDまで計7人と面接を行った。
質問の内容は志望動機や学生時代に頑張ったことなどのオーソドックスなものが多い。
たまに、「日経平均どうなると思う?」などの金融・経済の知識を問うものもあった。


■3次面接

本部長クラスとの個人面接。
志望部署と、志望部署と関連のある部署の本部長クラスと面接。
ちなみに、1次〜3次選考の過程で志望部署とは別のところから声がかかる場合もあり。


■最終面接
社長と約30分間の面接。
研究やバイトについてなど、雑談のようなものが多かった。


■内定者数

ちなみに2011卒の日本からの内定者内訳は以下のとおり。
・バークレイズ・キャピタル証券株式会社: 13人
・バークレイズ銀行: 1人(オペレーション)
・バークレイズ・キャピタル・ファンド・ソリューション・ジャパン株式会社: 0人


バークレイズキャピタルの選考情報は以上になります。




◆参考になるかもしれないリンク

銀行と証券の融合ってどういうこと?
http://www.fpsoken.co.jp/cgi-bin/view/column.cgi?PAGE=20050408_asset_tou

金融大学(ブラックショールズから金融基礎まで色々まとまっていて参考になります。)
http://www.findai.com/kouza/index.html

金融大学(金融取引入門講座)
http://www.findai.com/kouza/100fin.html



参考になりましたらぽちっとお願いします。


◆就活を終えられた方からの、選考情報の投稿をお待ちしています。

 ・外資系を問わず、幅広くお送りいただければ幸いです。
 ・「当該会社の内定者」等である必要はございません。
 ・投稿者の特定が起きないよう細心の配慮をした上で掲載します。
 ・選考プロセスに関しては、私が書いた記事を事前に確認いただいた上で、問題ないようでしたら掲載する形を取っています。
 ・DBJやJBIC、三井不動産、総合商社などの選考情報、特にお待ちしています。






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posted by メタル at 04:00 | 東京 ☀ | Comment(6) | TrackBack(1) | 投資銀行の採用情報
この記事へのコメント
内容をうまくまとめあげたメタルさんもすごいが、何より投稿した内定者good job!!!
Posted by 3年 at 2010年09月05日 04:43
IBDのM&A部隊ですが、99パーセント近くが元リーマン社員で構成されているそうです。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=aQm2iwk6SEVo

IBDヘッドもつい最近変わったようですね。
Posted by もも at 2010年09月05日 06:03
業務内容、よく分かりました。いつも大変参考になります@インターン組
Posted by うん at 2010年09月05日 18:49
しかしバークレイズはまだ日本では全くの無名ですよね。ほんとに頭角をあらわすようになるのだろうか。
Posted by 同業 at 2010年09月06日 03:25
McKinsey内定者のGPAを知っていたらおしえてください。
お願いします。
Posted by mi at 2010年09月10日 03:43
>>同業さん

まぁ、M&Aに関しては他地域ではRank Valueで
トップ10には入っていますし、Worldwideでも
トップ5にはいっていので以前のJPモルガンのように
徐々に日本でもある程度のプレゼンスは確保できる
かもしれませんね。
Posted by 太郎 at 2010年09月20日 16:56
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